畑の中の無断熱住宅ですから、夏の夜の快適さは素晴らしいものがあります。月明かりに広がる畑から夏虫の声が聞こえ、網戸を通して入ってくる冷風はそよそよと。エアコンなんか要りません。
昼間の暑さはサウナ並みですが、平日は仕事でいないし、休日はどこかへ出かけてしまえば関係ありません。
さて、冬。
大きめのファンヒーターをガンガン焚いても、無断熱の床、無断熱の壁から容赦なく熱が逃げていきます。腰からシンシンと上がってくる冷気、夜は早々に寝るしかありません。
電灯を消し布団に入ると、夜目にも白くはっきりと立ちあがる息が見えますが、寝付きの良い私は3秒で夢の中…
ある朝、目覚めると台所の水道が凍って水が出なくなっていました。風呂場の水道も出ません。
ヤレヤレ。朝食も作れないので、その日は冷蔵庫のバナナを囓り、顔も洗えず歯も磨けず、トイレの後に手も洗えずで出勤でした。(水洗トイレでないので、このような場合でも安心!)
その日から、寝る前に台所の水道から少しだけ水を流すことにして、もう大丈夫。凍結もなく、「快調、快調!」と喜んでいたのもつかの間、ある日、目覚めた私は台所で異様なオブジェを発見しました。
なんと!蛇口からシンクまで延びる巨大なオブジェ≡氷柱(つらら)が絶妙な造形を見せていたのでした。流していた水が凍って氷柱を作るとは…
うーむ。やはり水道が使えないので、冷蔵庫(寒すぎてほとんど稼働していない)のバナナを囓り、顔も洗えず歯も磨けず、トイレの後に手も洗えずで出勤でした。
関東地方で、家の中で氷柱ができた経験のある人は、そうはいないでしょうね。
高気密高断熱のスウェーデンハウスでは、例えシベリアで家を建てようとも「家の中の氷柱」はできそうもありません。我が家の子供達は「氷柱のでき方」という体験型の学習ができなくてちょっと可哀想…でもないか。
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